これまで小樽の演芸について語ってきたのは、単に〈越後久左ヱ門とその仲間たちがすごい!〉ということをお伝えしたかったからだけではありません。
もちろん、人間的に魅力のある方々ですし、活躍の様子がわかればわかるほど、その活気とワクワク感が伝わってきます。しかし、それ以上に私は、〝そういう芸能面での活躍が出来る人たちが自然に現れてくるほど、ここ小樽に住んでいる人たちのポテンシャルは高かった〟という事を、広く発信したかったのです。
小樽での興業環境については、第3回「演芸館が〈濃い〉小樽」と第9回「小樽の演芸館と、踊る商店主」でも少し触れましたが、ここでは改めて、〝ある日の小樽の市井人〟を想定してみることにしましょう。
“第15回 小樽人の歴史リテラシー” の続きを読む